消毒液はもちろんのこと、水道水や生理食塩水で傷を洗うのも時代遅れ!?

保険診療
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この記事を書いた人

はじめまして。
形成外科医/美容皮膚科医のDr.○○○です。
日本形成外科学会 専門医
日本美容外科学会 会員
日本創傷外科学会 会員
日本褥瘡学会 会員
日本フットケア・足病医学会 会員
日本美容皮膚科学会 会員

(注)プロフィール画像:『日本形成外科学会・日本創傷外科学会マスコットキャラクター「なおるん」』 なおるんは「キズを治す妖精」です。
今話題の谷口亮氏のデザインです。

Aくん
Aくん

傷の消毒液って使ったらダメなの??

Bさん
Bさん

じゃあ何で傷を洗えばいいの??

Cくん
Cくん

傷用の洗浄水やゲルであるプロントザンってなに??


このような疑問に答えていきます。

本記事はこのような方におすすめ

○ ケガをした時にどのように傷の処置をしたらよいかわからない方

○ 傷は水道水や生理食塩水で洗っているけど、その他の方法を知りたい方

○ 傷用の洗浄水やゲルであるプロントザンについて知りたい方


Dr.いたるん
Dr.いたるん

形成外科専門医として普段から創傷の診療を行なっている私が解説していきます。

私がどんな人か気になる方はこちらのプロフィール記事を参考にしてみてください。それでは宜しくお願いします。

なおるん
なおるん

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家にある消毒液は捨てましょう

盲目的な消毒薬の使用は皮膚トラブルの原因や正常な細胞にも悪影響を及ぼし創傷治癒の遷延(なかなか傷が治らない)につながります。

細菌だけでなく味方までも殺してしまう諸刃の剣というイメージです。

もちろん、消毒薬を使用する例外はありますが、それは命にかかわる壊死性筋膜炎や広範囲熱傷などの感染が命に直結するような場合であり、自宅で消毒薬を使わないといけない機会はほぼないと思います。

だから、消毒薬はおうちの救急箱から一旦捨ててしまいましょう。

傷は水道水と泡洗浄で十分です

傷の感染予防において水道水による洗浄の有効性はガイドライン上でも示されており、消毒薬や生理食塩水を傷の洗浄に用いることは必ずしも必要ではありません。

すくなくとも自宅での急性創傷(ケガをして間もない傷のこと)に関しては水道水で十分です。

もちろん、慢性創傷(なかなか治らない傷)の場合は医療機関を受診した方がいいです。

ケガをした場合のことは以下の記事を参照してみてください。

なお、水道水で洗ってよいのは水質が保証されている日本や先進国に限っての話ですのでご注意ください。

水道水よりも効果的な洗浄液がプロントザンです

なぜ水道水での傷の洗浄が時代遅れになってしまうのか。

それは水道水や生理食塩水を用いた傷の洗浄ではバイオフィルムをやっつけれないからです。

バイオフィルムとは細菌が作り出すシールドであり、点滴や外用による抗菌薬から身を守ります。

傷に細菌が存在すると創傷治癒遷延の原因となります。

バイオフィルムは時間が経過した傷(慢性創傷)に認められるため、急性創傷(手術直後の傷や自宅での傷)では今まで通り水道水の洗浄でOKです。

既存の治療が奏功しない褥瘡や足潰瘍などの慢性創傷にプロントザンは威力を発揮するでしょう。

プロントザン創傷洗浄用ソリューション、そしてプロントザン創傷用ゲルはバイオフィルムをぶっ壊して傷の状態を改善する新しい創傷被覆剤です。

おまけ

wound bed preparation創面環境を調整しないことには家は完成しません。

(創面→土壌、肉芽→家、皮膚→屋根)

創面を整える以外のプロントザンのメリットは

○ 創傷治癒を促進させる→入院や外来通院の短縮、コスト削減、瘢痕癌発生リスク低減の可能性

○ 物理的なデブリドマンによる疼痛がなくなる

○ 塗布による刺激感(疼痛)が少ない

などが挙げられます。

なおるん
なおるん

最後まで読んでいただきありがとうございました!

その他質問や相談などがあればお気軽にブログの問い合わせtwitterまで連絡いただければお答えさせていただきます。

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