日常診療(外来)でよくみる【粉瘤ってなに?】

形成外科・皮膚科
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はじめまして。
形成外科医/美容皮膚科医のDr.○○○です。
日本形成外科学会 専門医
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日本褥瘡学会 会員
日本フットケア・足病医学会 会員
日本美容皮膚科学会 会員

(注)プロフィール画像:『日本形成外科学会・日本創傷外科学会マスコットキャラクター「なおるん」』 なおるんは「キズを治す妖精」です。
今話題の谷口亮氏のデザインです。

Aくん
Aくん

粉瘤ってなに?

Bさん
Bさん

切開して排膿したら治るの?

Cくん
Cくん

手術しなくちゃいけないの?


このような疑問に答えていきます。

【本記事はこのような方におすすめ】

粉瘤って言われたけど粉瘤がなにか詳しく知りたい一般の方

粉瘤について形成外科医がどのように考えているかを知りたい初期研修医や他科の先生方

Dr.いたるん
Dr.いたるん

形成外科専門医として普段から形成外科診療を行なっている私が解説していきます。

私がどんな人か気になる方はこちらのプロフィール記事を参考にしてみてください。それでは宜しくお願いします。

なおるん
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粉瘤がなんなのかわかります

角質塊(アカ)を入れる表皮由来の嚢腫(ふくろ)を形成する皮膚良性腫瘍です。

その内腔は粥状(オカラ状)の角質が充満しており特有の臭気(腐臭、臭い)を発します。

皮膚がまくれこんでいる部分は黒点状の開口部(pitと呼ばれる)を有しています(これがふくろの入口です)。

粉瘤は頭部、顔面、胸部、背部、外陰部など全身のあらゆる部位に発生し、通常はドーム状の可動性良好なしこり(コリコリと動く)として触れます。

感染を起こすと、発赤・腫脹・疼痛が出現し内容物が膿となって開口部から出ててきます(ふくろが破壊され皮膚が薄くなり膿が出てくることを自壊といいます)。

治療の基本は腫瘍の摘出です

基本的には炎症の起こしていない時期(しこりがコロコロ触れる)に皮膚開口部(ふくろの入口)を含めて、腫瘍(嚢胞壁であるふくろ)を摘出することです。

感染を起こしている時期や炎症のある時期は嚢胞壁が周囲の組織を癒着して境界不明瞭であり、嚢胞壁をコロっと取れないことや術後の傷のトラブルのリスクがあがります。

そのため、手術をする場合は炎症が引くまで数ヶ月待機することが一般的です。

また、感染を起こして膿がたまっている場合は、まずは炎症を沈静化することが先決ですので皮膚の切開だけを行い、膿を排出します。

その後、日々の洗浄や軟膏治療で炎症が落ち着けば根治術(ふくろの摘出)を計画します。

手術しない場合のリスクを説明します

・感染すれば切開して排膿するだけでも症状は改善します。しかし、嚢胞壁(ふくろ)は残っていますので、いずれまた中に角質(アカ)をためて感染するということを繰り返すでしょう。

・徐々に腫瘤が大きくなれば傷跡が大きくなったり、術後の合併症のリスクも上がります。また、局所麻酔では対応できない大きさになれば全身麻酔の手術が必要になることもあります。

・皮膚切開した部分は皮膚と嚢胞壁の癒着の可能性があるので、開口部のみならず過去の切開瘢痕も含むように皮膚を切除しなくてはいけなくなります。傷跡が大きくなったり複雑な形になったり、場合によってはしわに直交するような切開になる可能性もあります。しわに直交する切開の場合は術後の拘縮のリスクや目立つ傷跡になってしまいます。

・感染を繰り返すようであれば、その慢性的な炎症が有棘細胞癌などの悪性腫瘍の母地になることもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今後も一般の方々のみならず医療従事者の方への形成外科の啓蒙や、形成外科医の考えていることなどを紹介していきたいとおもいます。

みなさんのお役に立てれば嬉しいです。

なおるん
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最後まで読んでいただきありがとうございました!

その他質問や相談などがあればお気軽にブログの問い合わせtwitterまで連絡いただければお答えさせていただきます。

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