脱毛したいけど、エステ脱毛か医療脱毛か悩んでいる
私にはエステ脱毛と医療脱毛どちらがオススメなの?
脱毛クリームや脱毛器など自宅で脱毛するのはどうなの?
今回は脱毛に関して話をしていくよ!
これから脱毛を考えている人や今脱毛していて悩んでいる人にもオススメの記事だよ!
普段、美容皮膚科で脱毛の診察をしているわたくし形成外科専門医のいたるんが解説していきます。
エステ脱毛(光脱毛)と医療脱毛の違いを徹底解説
知っておくべき永久脱毛の定義
「永久脱毛」とは、永久に毛が生えてこないという意味ではありません。
提唱者・Dierickxらによると、レーザー脱毛施術後に身体の各部位において通常の毛周期を超えて毛の本数が著明に減った状態を維持していることを「永久脱毛」と定義しています。
言い換えると、「高い減毛率を長期間にわたり維持できる脱毛法」のことを指します。
FDA(米国食品医薬品局)では、レーザー脱毛装置の認可はこの概念に基づいて実施されています。
また、この定義に当てはまるものは、医療レーザーと電気針脱毛だけです。
それぞれのメリット・デメリットは?
エステ脱毛(光脱毛)
メリット
① 施術時間が早い
② 痛みが少ない
③ 価格が安い
デメリット
① 脱毛完了までに時間がかかる(およそ3年程度)
② 脱毛効果は一時的で、いずれ毛が元の状態に戻ってしまうことがある
③ 医療機関ではないため、肌トラブルが起こった際に即座に医師の診察や処置を受けることができない
どうしてエステ脱毛(光脱毛)は元の状態にいずれ戻るの?
医師がいないエステサロンで毛根を破壊する行為は医師法によって禁止されているんだ。
そのためエステ脱毛(光脱毛)は、高い照射パワーを持つ機械を使用できないため、脱毛を完了するまでに照射回数が増え、結果的にサロンへ通う期間も長期に及んでしまいます。
つまり、エステ脱毛(光脱毛)は制毛であり、減毛(生える毛が減る)ではないんです
医療脱毛(レーザー脱毛)
メリット
① 早く効率良く脱毛を完了することができる(およそ5~10回)
② 施術中に肌トラブルが発生した場合でも、医師による適切な治療が受けられる
③ 有資格者(医師や看護師)が施術を行う
デメリット
① 痛みが強い
外用麻酔薬や笑気麻酔を使用することも可能です。
また、照射回数を重ねると毛の密度が減り、毛質も薄くなってくるので施術時の痛みが軽減してくることもあります。
② 価格が高い
エステ脱毛の必要な回数や元の状態に戻る可能性も考慮すると、最終的にかかる費用は一概に医療脱毛の方が高いとは言えません。
エステ脱毛(光脱毛)と医療脱毛どちらがオススメ?
- 一時的な脱毛効果でよい
- 痛みが少ない方がよい
- 一回あたりのコストを抑えたい
このような方はエステ脱毛(光脱毛)がよいのではないでしょうか。
しかし、価格や短期的な効果ではなく、長期的にみて減毛効果を維持したければ
医療脱毛の方が経済的かつ安全でしょう。
エステティシャンが十分な教育を受けて資格を取得し、さらに施術にあたってのトラブルに
備えて紹介できる医師を有しているのであれば、エステ脱毛も安全であると思います。
自宅でできる脱毛のデメリット
結論として、自宅での脱毛はオススメしません。
なぜなら、自宅で行うお手入れ方法は、肌を傷つける原因の一つであり危険です。
カミソリや除毛クリーム、ワックスによるムダ毛処理は、肌表面の角質層にダメージを与えてしまいます。
これにより、敏感肌やアトピー肌が余計に悪化してしまう可能性があります。
他にも毛嚢炎や埋没毛のリスクもあります。
家庭用脱毛器に関しては、効果や安全性は不明瞭ですし、熱傷や失明のリスクも否定できないため、脱毛に関しては医療機関で受けることをオススメします。
自己処理に関してのリスクを以下に具体例を用いて説明します。
1. カミソリ
多くの方がこの方法でムダ毛の処理を行っていると思いますが、
カミソリでムダ毛処理をした後、肌が傷ついてしまったり、痒くなったりしたことはないでしょうか。
いわゆる「カミソリ負け」ですね。
カミソリで皮膚表面を傷つけてしまうと、毛嚢炎など肌荒れなどのトラブルになってしまいます。
皮膚表面の炎症が強くなれば、アトピー性皮膚炎や乾燥肌が悪化します。
また、傷ついた肌に痂皮(かさぶた)が形成され、毛穴がふさがり、毛が皮膚の中に埋もれてしまう埋没毛のリスクにもなります。
2. 毛抜き
こちらもカミソリと同じで多くの方が行ったことがあるのではないでしょうか。
毛抜は毛幹を除去することで成長期の毛根を刺激し、毛の成長を促す可能性があります。
また、カミソリと同様に毛嚢炎や埋没毛のリスクがあります。
ちなみに、埋もれ毛になるとレーザー脱毛や電気針脱毛などの施術が困難になってしまいます。
3. 除毛クリーム
ムダ毛を抜くのではなく、クリームの成分であるアルカリ製剤でムダ毛を溶かす方法です。
非常に簡便で手軽な自己処理方法ですが、体毛を溶かす成分を使用するため、肌への刺激となり肌への負担になります。
特に敏感肌の方は、肌トラブル(かぶれや赤みなどの炎症)を起こすリスクが高まるため注意が必要です。
4. ワックス脱毛
広範囲の毛抜きを一度で行うことが出来ます。
毛抜きと同様に毛を根本から抜くことが出来るため、カミソリなど表面の毛を処理する場合と異なり、次の毛が生えてくるのが遅くなるというメリットがあります。
しかし、ワックスを剥がすときに肌の表面も一緒にはがしてしまうため、肌への負担はやはり無視できません。
熱傷の可能性もあります。
肌トラブルや毛嚢炎・埋没毛のリスクが高まります。
5. 脱毛シート
シートを貼るだけなので、ワックスより簡便に行うことができます。
痛みを伴うことや毛がまばらに抜けてしまうこと、やはり肌への負担がかかるというデメリットがあります。
やはり熱傷や肌トラブル、毛嚢炎・埋没毛のリスクがあります。
6. 家庭用脱毛器
自宅でいつでも出来ることが魅力的ですが、
エステ脱毛(光脱毛)や医療脱毛と比べると、効果の差は言うまでもありません。
効果だけではなく、専用の化粧水や交換用のカートリッジが高価なものもあり、本体以外にも費用がかさんでしまうようです。
家庭用とはいえ、日焼け部位や色素沈着部位に強いパワーで照射すると熱傷のリスクが高まります。
そうなると適切な処置を適切なタイミングで行わなかったことで、熱傷が痕になる可能性もあります。
また、レーザー光であるため適切に使用しなければ失明や眼球への悪影響も否定できません。
やはり、医療機関での診察を踏まえた上で、適切な照射を受けることをオススメします。
結論としては、
脱毛はエステサロンもしくは医療クリニックで相談した上、行いましょう。
どうしても自宅で脱毛したい人は効果やデメリットを十分に理解した上で行うようにしよう!
おまけ:介護脱毛について
ムダ毛があると身体を清潔に保つことが大変。
だからこそ自分が介護を受ける立場になった時、介護者の手を煩わせたくない。
自分の老後を想定し、介護施設などへの入所の際に介護者の負担とならないように、排泄行動のリスク軽減や介護者への心遣いとして、陰部周辺の脱毛を行うことを「介護脱毛」といいます。
メリット
① 脱毛することで清潔が保ちやすくなり、炎症や感染症の予防につながります。
② 細菌の繁殖を減らし、匂いの軽減になります。
③ おむつ交換時の清拭が容易になります。
①と似ていますが、毛による皮膚や粘膜の障害が起こりにくく、びらんや潰瘍の治癒遷延を防ぐ目的でも脱毛が有用です。
注意点
白髪になると脱毛ができなくなります。
*厳密には電気針脱毛での施術しか効果が得られなくなります。
脱毛に関するQ&A
Q. 毛周期と脱毛の関係について教えて下さい。 A. 毛周期には成長期・退行期・休止期と3つのサイクルがあります。 レーザー脱毛が奏功するのは色素量が一番多い成長期の毛のみです。
Q. 毛周期の見極め方はありますか? A. 厳密には見極めることは困難と思います。 部位によって周期の目安はありますが、個人差もありその期間には大きくバラ つきもあるためです。 十分に体毛が生え揃ってきたときなどの目安もありますし、なかなか効果が得 られない場合は患者の毛周期に合わせて照射間隔をずらしてみることもひとつ の手段と考えます。
Q. エステ脱毛(光脱毛)や医療脱毛(レーザー脱毛)は白髪にも効果はあるの? A. 光脱毛や医療レーザーは、黒い色素(メラニン)にのみ反応するという特性があ るため、黒い色素(メラニン)が存在しない白髪には効果はありません。
Q. 白髪を脱毛する方法はないの? A. 白髪に効果的な脱毛方法は「電気針脱毛」しかありません。 レーザー脱毛や光脱毛と違い、一つ一つの毛穴に針を刺して電流を流す方法の ため、黒い色素(メラニン)の有無に左右されません。
Q. 脱毛を受ける際の注意点はありますか? A. ・硬毛化や剛毛化のリスク ・治療中の毛抜きは禁止です。ただし、施術前は熱傷予防のために剃毛は必須 です ・強く日焼けしている場合は熱傷のリスクがあるため治療は延期した方がよい です ・うぶ毛では一時的な効果しかありません ・妊娠中は、毛周期にホルモンが及ぼす影響や妊娠中に安全に使える薬剤には 限りがあるため、脱毛を行わない方が無難です ・完全永久脱毛(完璧な結果)やうぶ毛の永久脱毛は困難です ・白髪や金髪、赤髪などはレーザー脱毛は効果が期待できません
Q. 硬毛化ってなんですか?その対処法はありますか? A. レーザー脱毛を受ける際に知っておかなければならないリスクです。 上腕、前腕、大腿、背、方、うなじ、体幹、おしり、フェイスラインなどのう ぶ毛にレーザー照射を繰り返し行うことで生じます。 基本的にはうぶ毛には照射は控えるか、硬毛化好発部位には試験照射をオスス メします。 いまだ確実な解決方法がありませんが、休止期間をもうけることや照射条件や レーザー機種の変更、脱毛方法を電気針脱毛へ変更して対処するなどの報告が あります。
まとめ
特に今後の日本社会では介護脱毛への注目や重要性がでてくるのではないかと思います。
少しでも多くの方に介護脱毛の概念を知ってもらえれば嬉しいです。
そのためには、脱毛の基礎知識も大事になってきますので脱毛全般に関してまとめてみました。
今後も形成外科に関する情報を発信したり、ブログで記事を作成していきます。
どうぞ宜しくお願いいたします。
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