ワキ汗やワキのニオイに困っているけどどこに相談したらいいの?
どのような治療法があるの?保険は効くの?
自分でできる対処法はあるの?
本記事ではこういった疑問にお答えします
上記のような悩みのある方はぜひ参考にしてもらえれば嬉しいです
形成外科専門医として外科的治療(手術)や、美容皮膚科医としてはボツリヌストキシン注射やミラドライを行い、ワキ汗(腋窩多汗症)やワキのニオイ(腋臭症)の治療を普段から行っているDr.いたるんが解説していきます
形成外科医として普段からワキ汗(腋窩多汗症)やワキのニオイ(腋臭症)の診察や治療を行っている私が解説していきます。
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ワキ汗(腋窩多汗症)やワキのニオイ(腋臭症)で悩んでいる方へ
こんな症状でお困りではないですか?
✔ 汗シミのせいで色のついた服を着られない
✔ 汗が気になり電車のつり革を持てない
✔ 制汗剤や消臭剤が手放せない
✔ ワキのニオイが気になる
✔ 衣類の黄ばみが気になる
腋窩多汗症や腋臭症の症状かもしれません
様々なシーンにおいて患者さんのQOL(生活の質)を著しくさげる疾患です
腋窩多汗症や腋臭症には治療法があります
多汗や腋臭は体質と考え、諦める前にクリニックや病院を受診してはいかがでしょうか
腋臭症には明確な検査や診断基準はありませんが、
多汗症の診断基準には、「多汗におって日常生活に支障をきたすこと」という項目があります
つまり、発汗の程度に関わらず「本人が苦痛であれば」それは多汗症として治療すべきとも考えられます
何科を受診すればいいの?
皮膚科や形成外科(交感神経遮断術や神経ブロックを行う場合は麻酔科)で相談してはいかがでしょうか
ただし、腋窩多汗症や腋臭症の治療をしているかどうかは事前に確認することをオススメします
また、自費診療に関しては美容クリニックの方が優れていると考えますので、治療方法によっては美容クリニックの受診も検討してください
ワキ汗・ワキのニオイのことをもっと知りたい人は下記のサイトをオススメします
治療法の紹介
腋窩多汗症・腋臭症の治療は大きくわけて
① 薬剤などの使用による保存的治療
② アポクリン汗腺を除去する外科的治療
③ 機器により手術の痕を残さずアポクリン汗腺を破壊する方法
治療効果や効果の持続時間、ダウンタイム、合併症、治療費用などに関しては
それぞれ一長一短があるため、病院やクリニックにて詳細をご確認ください
アポクリン汗腺が発達し分泌が活発になるのは第2次性徴以降であるため、一般的に腋臭症が発症するのは思春期以降です
そのため、若年者では施術後に性腺が発達する可能性が高いため、まずは保存的療法を勧めることが多いです
保存的治療
制汗剤やデオドラント剤
エクリン汗腺およびアポクリン汗腺から分泌される汗は無臭ですが、皮膚常在菌の代謝作用により臭いが誘発されます
このため、原因菌の除去や発汗を減らす目的で制汗剤やデオドラント剤を使用します
医療用の制汗剤であるパースピレックスという製品もあります
いずれも費用は自費となります
以下に市販で購入できる製品をご紹介しますので、ご参考までにどうぞ。
○ 薬用ネオテクトマイクロデオドラントクリーム
菌の増殖を防ぐだけではなく、制汗作用もあるためニオイの発生も抑えることで効果を期待します。
ワキだけでなく全身にも使用できるため、粘膜以外のデリケートゾーンへもお使い頂けます。
ワキガのみならず加齢臭や体臭などのニオイが気になる方へもお勧めです。
○ ドクターアロマランス
同様に菌の増殖と汗を抑えることでニオイの発生を抑制します。
ワキ以外の全身にもお使い頂けます。
乾燥肌や敏感肌の方も優しい製品で、お子さんにもご使用頂けます。
外用薬(塩化アルミニウム、エクロックゲル)
塩化アルミニウム
まずは全ての部位の多汗症に対して第1選択にすることが推奨されています
継続した外用が望ましいです
費用は自費となることや中止すると効果はなくなることがデメリットです
エクロックゲル
日本初の保険適用となる原発性腋窩多汗症用の外用剤です
1日1回、適量を両ワキ全体に塗って使用します
汗腺のアセチルコリンの働きを局所でブロックすることで汗を抑えます
ボツリヌストキシン注射
ボツリヌストキシンは主にエクリン汗腺に作用し、発汗減少により腋臭の改善も期待できます
重度腋窩多汗症に対しては保険適用となっています
しかし、適応となっているグラクソ・スミスクライン社のボトックスを扱い保険診療で治療しているかは事前の確認が必要です
効果は3~4ヶ月持続するので夏のみであれば年1〜2回の注射でよいでしょう
「夏場だけ臭いをおさえたい」というような場合にはよいかもしれません
保存的治療のまとめ
以上発汗抑制には非常に効果があるが、腋臭に対しては効果は限定的です
上記はいずれも瘢痕が残るリスクはなく、ダウンタイムも短いというメリットがあります
外科的治療
手術(皮弁法)
アポクリン汗腺組織を直視下に剪除する方法です。
主として腋臭のグレード2~4に適応されます(ガーゼテストによる主観的な判断方法)。
保険が適応されます。
術後の安静や固定方法は様々ですが、
私は全身麻酔下に手術を行い、閉鎖式の皮下ドレーンを5日間ほど留置するため、入院期間が最低5日間は必要となります
クワドラカット法や超音波破砕吸引法など
これらの方法は小さな切開で汗腺組織を除去するため、傷跡が目立ちにくいメリットがあります。
しかし、特殊な機器が必要なことや自費診療となることがデメリットとなります。
外科的治療法のまとめ
汗腺組織を直接除去するため、効果が高いこと・効果の持続時間が長いことが期待されます
しかし、上記手術はいずれも術後1週間程度の創部の圧迫固定や肩関節安静のため、
ダウンタイムが生じますし、傷跡が残ることがデメリットとなります
機器使用
ミラドライ
腋窩多汗症、腋臭症、減毛の適応でFDA(米国食品医薬品局)の認可を受けています
(日本国内では腋窩多汗症のみ、薬事承認を取得しています)
皮膚表面からマイクロ波を照射し、
汗腺組織を熱損傷させて半永続的に汗腺組織を除去します
ミラドライは多くの美容クリニックで導入されています。以下に一例を載せておきますので気になる方は是非ご参考にしてください。
○ 東京プラチナムクリニック
○ ゴリラクリニック
男性を専門とした美容クリニックなので、周りの目を気にしたりする必要はありません。
男性の方で女性の多い美容クリニックには行きづらいと思っている方はこちらのクリニックをお勧めします。
ビューホット
多汗症治療器としては認可は受けていないものです
細い針を刺し、針先端から出る高周波が深度を変えることにより汗腺部位を破壊します
機器使用(ミラドライ、ビューホット)のまとめ
上記治療はいずれも局所麻酔下に施行できること、腋窩皮膚の瘢痕が残らないこと、
ダウンタイムがほとんどないことがメリットです
保険は適応されません(自費診療)
自宅でできる対処法
食事
肉などのタンパク質や脂肪を多く含んだ食品は、
炭水化物よりも代謝熱が出やすく、汗をかきやすくします
間食(バターやチョコレートなどにも脂肪分が多く含まれます)にも注意が必要です
食生活の欧米化によるワキガ悪化の可能性も危惧されます
和食は「究極の消臭剤」という言葉を聞いたことがありますが、
和食は野菜・大豆・魚介類を中心としており、体臭をきつくする動物性タンパク質や脂肪は少なめです。
衣服
衣服(化学繊維<ポリエステル、レーヨンなど>)は臭いを増強するといわれています
ですので、コットンやウールなどの天然繊維を着るように心がけてもよいかもしれません
精神状態
緊張やストレスはワキ汗に大きく関係しています(精神性発汗)
精神療法などを行っている施設もあるそうです
脱毛
脱毛によってワキガが治ることはありません
しかし、ワキの毛を生えたままにしておくと、皮脂や汗が付着してニオイが起こりやすくなります
気になる場合は、ワキの毛を脱毛することで発生するニオイを対策することができます
この後説明する制汗剤やデオドラント剤の使用も容易になるため、ワキの毛の脱毛も考慮してもよいかもしれません
以下に参考となるクリニック情報を載せておきますので、疑問や不安があれば是非参考にしてみてください。
○ リゼクリニック
女性専用の脱毛クリニックです。
医師や看護師、スタッフ全員が女性ですので安心して施術が受けられます。
○ ゴリラクリニック
男性を専門とした美容クリニックなので、周りの目を気にしたりする必要はありません。
患者はすべて男性であり、男性の毛の特徴も把握されておられるためより高い治療効果が期待できるメリットもあります。
制汗剤・デオドラント剤
エクリン汗腺およびアポクリン汗腺から分泌される汗は無臭で、皮膚常在菌の代謝作用により臭いが誘発されます
このため、原因菌の除去や発汗を減らす目的で制汗剤やデオドラント剤を使用します
デオドランド剤の種類にはそれぞれのメリット・デメリットがあるため、ライフスタイルやニーズに合わせた剤型を選ぶようにしましょう
以下に市販で購入できる製品をご紹介しますので、ご参考までにどうぞ。
○ 薬用ネオテクトマイクロデオドラントクリーム
菌の増殖を防ぐだけではなく、制汗作用もあるためニオイの発生も抑えることで効果を期待します。
ワキだけでなく全身にも使用できるため、粘膜以外のデリケートゾーンへもお使い頂けます。
ワキガのみならず加齢臭や体臭などのニオイが気になる方へもお勧めです。
○ ドクターアロマランス
同様に菌の増殖と汗を抑えることでニオイの発生を抑制します。
ワキ以外の全身にもお使い頂けます。
乾燥肌や敏感肌の方も優しい製品で、お子さんにもご使用頂けます。
まとめ
いかがでしたでしょうか
腋窩の多汗や腋臭でお困りの方の手助けになれば嬉しいです
その他質問や相談があればブログやtwitterまで連絡いただければお答えさせていただきます
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