セラピューティック中にトラブル(乾燥や痒み)などが辛くて続けられません。
やめたいです。
そもそも私のしみには効果あるの?
セラピューティック終了後はどうしたらいいの?
【本記事はこういう人にオススメ】
・現在ダウンタイムで悩んでいる方
・これからゼオスキンヘルスを始めたい方
・セラピューティックが終わってこれからどうしようか悩んでいる方
なお、ゼオスキンヘルスの概略に関しては以前の記事でも解説していますので
セラピューティック(治療期)の乗り越え方やメンテンス期(維持期)の解説をしていくよ。
現在ダウンタイムで悩んでいる方はもちろん、これからゼオスキンヘルスを始めたい方やセラピューティックが終わってこれからどうしようか悩んでいる方にもオススメの記事だよ。
普段美容皮膚科医としてゼオスキンヘルスの診療を行っているいたるんが解説していきます。
どうぞ宜しくお願いします。
ゼオスキンヘルスのダウンタイムが辛くて悩んでいる方へ
HQ(ハイドロキノン)のパッチテストでトラブルがあった場合
ハイドロキノンは2%以下であれば化粧品含有が許されていますが
4%を超えるものは医師処方箋として扱うことになっています。
ゼオスキンのセラピューティックで扱うミラミン、ミラミックスは4%ハイドロキノンを配合しています。
一般的には5%までは、アレルギー反応が少なく比較的安全に使用できると考えられています。
しかし中には、剥離や炎症症状以外に掻痒感などが出る場合もあり、その場合はハイドロキノンのアレルギー反応を疑います。
この場合はノンハイドロキノンであるブライタライブにトレチノインを混ぜ代用します。
乾燥や痒みが辛い場合
レチノイド皮膚炎と呼ばれ、トレチノイン使用開始6週間までの期間は反応が強く起こり、この期間を反応期をいいます。
反応期を過ぎれば症状(乾燥や痒み)は落ち着いてきますが
乾燥や痒みが辛ければ、ゼオスキンヘルスの保湿剤(レストラカーム)や市販の保湿剤(ヘパリン含有クリームやワセリン)
などで対処すると効果を減弱することなく皮膚炎症状を緩和することも可能です。
症状は角質の薄い目元や小鼻周り、口角周りに出やすいので
この辺りはトレチノインを塗る量を調整してもよいでしょう。
ちなみに、皮剥けや赤みなどの反応を出し続けないと効果がないわけではないので
注意が必要だよ。
逆に反応がない場合や反応が弱い場合は
1回のトレチノインの量を増やすか(トレチノイン0.1%の場合はハイドロキノン:トレチノイン=1:1が1回のトレチノインの最大量)
それでも反応しない場合は
朝と夜の1日2回、トレチノインを塗布してもOKです。
セラピューティック中(治療期)に一時的にニキビが増悪する場合
おそらくハイドロキノンであるミラミンが原因と考えられています。
ハイドロキノンの毛穴からの吸収が高まることで毛穴に負担がかかってくるためと考えます。
この場合、一旦ミラミンの使用を中止してニキビの症状が改善したあとで
ミラミンを夜のみ・シミへの部分使いで再開し、徐々に使用範囲を拡大していくとよいでしょう。
ニキビの炎症が強い場合は、一旦セラピューティックを中止してにきび治療に専念することが大事です。
あまりニキビがひどくなければミラミックス+トレチノインは継続してもOKです。
もともとアトピー性皮膚炎などの肌荒れで悩んでいる場合
グリコール酸が入っている化粧水であるバランサートナーは刺激が厳しいので
ピーリング剤の入っていない化粧水を使用するとよいでしょう。
まずはマイルドレチノールであるRCクリーム(セラミドがバリア機能と潤いを高める、炎症から肌を保護する)で肌の状態を整えましょう。
セラピューティックを希望するならばミラミックスではなく
ミラミンにトレチノインを混ぜます。
ミラミックスを使用した方がトレチノインの浸透は高まるけど、
元々バリア機能が低下している方はミラミンでも十分に反応が出るよ。
マイルドに効果を出したい場合
この場合はメンテンス(維持期)から開始しましょう。
メンテンスからの開始であれば、高濃度レチノールは週に1~2回からの使用となるため
自身でコントロールが可能です。
セラピューティックよりも効果が出るのは遅いですが、ダウンタイムがなく継続しやすいことがメリットです。
ゼオスキンヘルスで効果がないシミへの対策
そもそもゼオスキンヘルスで使用するトレチノイン(ビタミンA)は
表皮細胞の代謝亢進により、表皮に蓄積したメラニンを排出することが治療の根拠となります。
したがって、代謝しない部分(真皮)の色素性疾患に効果はありません。
効果のない病変としては
・ほくろ
・太田母斑
・ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
・PIH(炎症後色素沈着)
などが挙げられます。
これらには、セラピューティック後に残存した病変に対して局所的に炭酸ガスレーザーやQスイッチレーザーなどで対応すれば効率がよいと考えます。
また、トラブルの改善された健康な肌であればレーザー照射による副作用の軽減も期待できるので、いいことづくめです。
TR(メラニン排泄を促進)とHQ(メラニン生成を抑制)の作用によりレーザー治療後のPIHを最小限に抑えれるため
セラピューティック期間中に炭酸ガスレーザーやQスイッチレーザーを併用する治療法も提唱されています。
(Takekawa C, et al.J Plast Reconstr Aesthet Surg.2021 Feb;74(2):370-376.)
肝斑がある場合はトラネキサム酸やビタミンC/Eの内服も効果的。
また、ゼオスキンヘルスにより健康な肌になれば肝斑の原因となっている化粧行動(摩擦)の改善も期待できるよ。
メンテンス(維持期)でのオススメの商品や組み合わせ
ハイドロキノンやトレチノインには耐性の問題があり、
効果的にスキンケアプログラムの効果を維持するためには、
ハイドロキノンやトレチノインを休薬し、長期使用に向いているレチノール、マイルドレチノールを使用するプログラムに移行します。
(治療期から維持期へ移行する。)
「皮膚の老化の原因は80%が紫外線による光老化である」と言われています
つまり、トラブルが改善された健康な肌を維持するためには
ビタミンAによる光老化ケアを引き続き継続することが重要だよ。
光老化ケアをメインに使用したい方
肌のpHバランスを整え、次に塗布する美容クリームを効果的に浸透させるための化粧水
毎日 朝・夜、500円玉大を顔全体に塗布
マイルドレチノール、ハリと艶のある肌へ導く長期的なアンチエイジングを期待
毎日 朝・夜、1~2プッシュを顔全体に塗布
マイルドレチノール、バリア機能と潤いを高めるため乾燥・敏感肌の方へオススメ
セラピューティック中やメンテンス期で高濃度レチノールを使用する場合の刺激が気になるときは、RCAクリームの併用がオススメです
毎日 朝・夜、必要な量を顔全体に塗布
※デイリーPDとRCクリームは併用してもOK
メンテンス期でもmildに皮膚の代謝を高めしみへの効果を出したい方
肌のpHバランスを整え、次に塗布する美容クリームを効果的に浸透させるための化粧水
毎日 朝・夜、500円玉大を顔全体に塗布
高濃度レチノール
○ARナイトリペア:レチノール濃度1.0%(刺激が強い)
レチノール(オレオソーム化)配合 → 浸透がゆっくりで表皮に長くとどまる
色ムラやクスミの改善が期待できる
夜のみ使用(週に1回くらいから開始)、1~2プッシュを顔全体に塗布
肌が慣れてくれば、使用頻度を増やす
○Wテクスチャーリペア:レチノール濃度0.5%
レチノール(マイクロエマルジョン化)配合 → 素早く真皮に到達し、線維芽細胞を活性化
小じわやハリの改善が期待できる
夜のみ使用(週1~2回から開始)、1~2プッシュを顔全体に塗布
肌が慣れてくれば、使用頻度を増やす
○スキンブライセラム0.25/0.5:それぞれレチノール濃度0.25%/0.5%
レチノール(オレオソーム化)配合 → 浸透がゆっくりで表皮に長くとどまる
色ムラやクスミの改善が期待できる
夜のみ使用(週1~2回から開始)、1~2プッシュを顔全体に塗布
肌が慣れてくれば、使用頻度を増やす
ARナイトリペアは刺激が強いため、個人的にはWテクスチャーリペアからの使用を勧めています。
ビタミンAには催奇形性の報告があるため、妊娠中や授乳中のトレチノインや高濃度レチノールの使用は禁止しているよ!
費用に余裕がある方はマイルドレチノール(デイリーPDやRCクリーム)と高濃度レチノール(スキンブライセラム、Wテクスチャーリペア、ARナイトリペア)を組み合わせて使用したり、
透明感が欲しければノンハイドロキノンであるブライタライブやシーセラムを、
エイジングケア(美容ジェル)としてファーミングセラムやGファクターセラムを追加してみてはいかがでしょうか。
いずれも光老化ケアは継続が重要ですので、コストや使用感などと相談してまずは最小限からトライすることをオススメします。
その他の製品の特徴などはインスタグラムでも紹介する予定なのでそちらも参考にしてみてください。
まとめ
今後も新しく得た知識を紹介していきます。
インスタグラムでもわかりやすく紹介していく予定ですので
ぜひ参考にしてみてください。
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